早いものでもう年末。
夜に外を走る新聞配達のバイクの音が、年の瀬を感じさせる季節になりました。
年末といえば大掃除、しかもコロナで外に出れず暇なご時世ということもあり、ここ一ヶ月ほど大掃除にとどまらず、生活全般の整理を進めているんですが、
その中で最近、特にやってよかったと思ったのが本のデータベース化。
具体的に言うと、
・いらない本は売る
・そうじゃない本はカテゴリ・進捗ごとに整理する
という作業をやってみたのですが、これが思いのほかすごく発見が多くてよかったので今日はその話。
ツールとしてNotionという、最近流行りの知的生産ツールを使ってみることにしました。
Notionって何?
ざっくり言うと表示方法をめっちゃいじれるメモアプリです。ノーションと読みます。
Evernoteから移行する人が多いみたいですね。
メモ帳といえば、iPhoneとかスマホのローカルに保存してる人が多いと思いますが、
ローカルだとデータ消えた時面倒だし、他の端末と共有もできませんし、
本当に買い物メモ程度に使ってる人が多いんじゃないでしょうか。
Notionはクラウドサービスなので、アカウントを作ってログインすれば、スマホで書いたNotion上のメモをあらゆる端末で見ることができます。
しかも、表示方法をリストにしたりカレンダーにしたりできるので、実質的にはカレンダーやほしい物リストとして使うことができます。
凝った人だとホームページみたいにちゃんとデザインして(メモなのにブログみたいにヘッダーとか設定できる)おしゃれに使う人もいます。
見てもらったほうが早いと思うので 以下スクショ。
なんかすごそうと思うなかれ、項目の一つ一つは単なるメモ(ドキュメントと言った方が正確かも)で、やっていることはと言えば表示方法をおしゃれにしているだけです。やってることは意外にシンプル。
単なるメモと言っても、URLとかTagとかいろんな項目があらかじめ用意されており、URLを入力すると下のレシピ管理画面では料理のサムネ写真が表示されてます。
Tagにはカテゴリーを入力すればあとからTagごとに絞り込みもできるし、Dateに日付を入れて表示方法をカレンダー形式にすれば予定表に様変わり、というわけです。
ちなみにNotionで用意されたメモ、さっきからメモって勝手に呼んでますが正式にはページといいます。
上の例で言えば本棚、ずらりと並ぶ本のタイトル、レシピ、親子丼、それぞれ全部ページです。
めっちゃ雑な言い方ですが、メモの中にいろいろ埋め込めて表示方法をスマートにするだけでこれだけ印象が変わって使いやすくなる、と考えれば意外にシンプルなツールだと思います。
こうやって一つのアプリで生活の管理全般できるのは、実際めちゃくちゃ便利です。
より具体的な活用方法は「Notion」で調べればYouTubeとかnoteにたくさん上がってるのでそちらを参照してもらうとして(当ページ最後にリンク貼っておきます)、
僕はこのNotionに持ってる本の情報を全部ぶち込んでデータベース化しよう、と思い立ち、部屋中の本の情報をひたすら打ち込むことをここ一週間ほどやっていた、というわけです。
自分なりの本管理方法
さっきのスクショをもう一度。
※タグが全部英語名なのは管理人の趣味です。日本語タグ作れます。
僕なりの管理方法として、
- 本のタイトル
- ジャンル
- 紙かキンドルか(付属CDはあるか)
- どこまで読んだか
- 著者(有名もしくは興味ある人のみ)
- 読むのは楽か大変か
あたりをタグに設定して管理することにしました。
工夫した点
本の進捗状況のカテゴライズを割と細かめに設定したことと、
本を読む難易度をあらかじめ項目として設定した、あたりでしょうか。
本の管理をやるだけなら読書メーターとか優秀なアプリが実は結構あるんですが、自分が知る限りどれも
読んだ本、読んでる本、読みたい本、積ん読
の四つしか選べません。
が、実際読んでみるとつまんなくて途中で読むのやめた本が割とある。
これを別枠で扱いたいと思い「読むのをやめた本」というタグ(Stoppedという緑色のやつがそれ)を作りました。ブックオフ行きが最も近い本たちですね。
まあ将来読み返す可能性考えると躊躇してしまうのでこの冊数なわけですが…
あと英単語帳とか楽譜みたいに、そもそも通読するもんじゃなくね?みたいな本は「Dictionary」というタグでまとめることに。
(未読だとしてもこれで誤魔化せるのは内緒)
あとは難易度。
右のほうにあるLight、Mediumってやつです(いちいち英語で申し訳ない)。これはどう活用するのかというと、
読むのが簡単な積ん読本を探してスキマ時間に電車とかで読み切ってしまおう、みたいなことがしやすくなります。
進捗状況も管理してるので、
読んでる途中 and 読むのが簡単
で調べれば微妙に読み終わってない本をリスト化して表示できたりします。もちろんこのジャンルで、という指定もできます。
これをやるようになってから積ん読本の消化が捗る捗る。もしNotionで本の管理するならオススメの管理方法です。
やってみて感じたメリット
やはり見える化は最強ですね。なぜ今までやってこなかったのか。
本を読む習慣がある人にとって、自宅にある本の冊数とか数えてみないとまあわからない。自分がこの作業をやる前の認識は、
「すげぇ本あるな、でも全然読めてないな、やべぇな…」
という感じだったのが、データベースにすることで未読、既読の本を数えることが可能になりました。
ちなみに、進捗状況別の集計結果は以下の通り(面倒なんでスクショは貼りません)。
既読: 180
途中: 120
未読: 204
読むのをやめた本: 52
その他(学習系): 38
計603冊
未読が一番多いじゃねぇか!と突っ込みたくなるところですが、個人的にはむしろ既読の多さにびっくりしました。
本買っても全然読まない人だと思ってたので、全く読んでない本が8割くらいでは…?とぼんやり思ってたら全然そんなことはなかった。
個人的には、救われたというと大げさですが本棚を見た時の威圧感がだいぶ減って肩の荷が下りたような気持になりました。少なくとも家にある本の3分の1程度は読破できてるのは結構な自信に。
まあでも3分の1の本は中身見てすらいないんだけどな。そう考えると未読の本めっちゃ多いわ。年末年始休みにせめて、プロローグだけでも目を通す本を増やしてみるか…
次に紙 vs Kindle。
紙: 420
Kindle: 185
紙の本の数がが倍以上と考えると紙の方が多いですが、逆に紙の本の半分近くに相当する冊数のkindle本があることにびっくりする結果に…そんなにあったのか。
現在、紙の本のうち古本に出した分を除くと在庫(?)は400冊。すなわちこれが今自分の部屋にある本の冊数なのですが、これの約半分の量の本がスマホに入ってると思うとテクノロジーの凄さを感じます。
紙の本は少量でも結構スペースを圧迫するので、サクッと読めそうな本に関してはしばらくKindle主体にしようと思います。
他にもこうしてデータ化するメリットは結構たくさんあり、例えば紙の本とkindleの既読、未読率とかもわかったりします。
言い忘れてたんですがNotionのデータベースはソートもかけられるので、
本の形式が紙 and 既読
みたいな2重検索もできるわけです。
結果自分の場合、紙の本の既読が99に対してkindleが83という結果に。
紙の本のトータル冊数を考えると、つまり紙の本は4分の1も読めていないということが判明。なるほど、本棚から来る未読圧の強さが少し理解できた気がします。
なぜこんなことになったのか考えてみたのですが、自分の場合の主な理由としては
- そもそも紙の本は専門書が多くて読破難易度が高い
- 逆にkindleはページ数少ない本をスマホでサクッと消化できる
- 本当に読みたい本は我慢できずにkindleで衝動買いすることが多い(ネットが繋がる場所ならどこでもすぐ読めるのはkindleの大きなメリット)
- 逆に紙の本は汚れるのが嫌で家でしか読まない
といったところでしょうか。
紙の本は試し読みできるので財布のひもが固くなる傾向もありそうです。
あとはジャンル別に冊数や読破数がわかるのもいいですね。自分が今までどの分野を頑張ってきたかがある程度数値化できるといっても良いと思います。
結構買ってる割に全然読んでないジャンルとかあるんですよね。そういう本は多分、その分野に対するあこがれや期待を含んだ判断で買っているような気がします。その分野の本を買う場合、本当に中身に熱中できるか、面白そうかを買うときに慎重に考えるのが大事かもしれない、みたいなことを考えていました。
いやデータ化しただけでこれだけのことがわかるのはすごい。本に対する向き合い方への影響はかなりでかいです。
kindle本は古本として売れないし立ち読みできないから、とあんまり活用してなかったんですがこれからは見直してもいいかもしれない。YouTubeとかスマホゲー飽きた勢いで開いて読めるし、スマホ中毒気味の現代人が本読むのにはハードルが低くて向いているのかもしれません。
読書管理アプリ使えばよくね?問題
中盤でも少し触れましたが、読書管理自体は読書管理専門のアプリというのが結構あります。
一番有名なのはおそらく読書メーター。本好きなら結構な確率で使ってるような気がします、よく名前聞くので。
僕自身読書メーターは使ってみたんですが、以下にNotionでの自己管理と比べてどんなメリットデメリットがあるか自分なりにまとめてみました。
読書メーターを使うメリット
- 本の登録が簡単。バーコード読み取るだけ
- しかも著者、Amazonへのリンク、出版者等の基本情報は自動で入力される
- 本の表紙が自動で表示される
- 読んだ日にちや読書時間などを細かく管理できる
- SNS機能があり、他の読者の感想を見られる
- Notionは英語のみで日本語非対応(2021年中に日本語対応するそうです)
パッと思いつくのはこんなところでしょうか。総じて文字入力の手間が一切いらないのは強みだと感じます。
地味に結構大きいのが表紙が自動で出てくる点。わざわざタイトルの文字を追わなくても、表紙でほしい本を探せるのは実際やってみると楽です。
あとどんなマイナーな本でも表紙が絶対出てくるのは偉いなと思いました。iTunesとかアートワーク全然出てこなくて穴だらけになりますもんね。あれをこのアプリ内ではどういう技術で克服してるのか、結構気になります。
一方Notionに軍配が上がる点も多々あると思ったので以下にまとめてみました。
読書メーターのデメリット
- 読書管理に特化したアプリなので管理を習慣化できないと存在自体忘れる
- アプリの操作方法は覚えないといけない。Notionの場合各項目の設定を自分でいじれるので覚えやすい
- 表紙が表示される代わりに一気に多くのタイトルを参照しにくい
- バーコード登録の際、本を一冊ずつ手に取るのが地味に手間
- SNS機能がうっとうしいという意見も…
- 読書管理アプリ自体の選択肢が割とあるので選ぶのがめんどい(移行機能とかも調べた感じなさそう)
最初に関しては元も子もないと思うかもしれませんが、Notionの強みはレシピとかスケジュールみたいな他の機能も同じアプリの中で完結できる点。
なので習慣化してしまえば、いろんなことが一気にできるようになって非常に便利ですし、あとになってカレンダーと紐付けできたりと、アプリ内で融通が効くというメリットもあります。
一方、読書メーターはあくまでSNS(?)なので、ホーム画面がタイムラインになっていたり、意外と本の管理に特化していないのが特徴。それがウリでもあるんでしょうが、小説とか売れてる本ばかりランクインしたり表示されたりするのがうっとうしくてやめた、という意見もネットでは散見されました。
個人的にはSNS機能別にあってもよくない?派なのですが(Amazonのレビューより感想が真っ当な傾向があって僕は好きです。あとレビューの数も多い気がする)、その代わりバーコード登録があまり便利に感じませんでした。
タイトル文字ベタ打ちなら、背表紙だけ写真にとって、それを見ながらパソコンで作業できるんですが、
バーコード登録のために本棚の奥をガサゴソやるのは意外と面倒だった…まあそういう使い方は多分想定してないんだと思います。良い子の皆さんは買ってすぐ登録しましょう。
まあ、そこまでたくさん本買わない、資格試験の勉強をするのに細かく勉強時間も管理したいという目的なら読書メーターの方がいいかもしれません。細かくいろいろな管理はしやすいしその手間もあまりかからない印象です。
ちなみに読書管理アプリ自体はほかにもいくつか試したのですが、
SNS機能がなくてデザインがシンプルな代わりに、本一冊登録するたびに広告が出るやつとか一長一短な印象が否めない。まあ自分がハマらなかったのはバーコード登録が面倒ってだけの理由なので、そこにむしろ利便性を感じるならいいかもしれません。
まとめ
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、今回はいったんこの辺で。
猫も杓子もいろんなところで「見える化しろ!!」と言っている理由がよくわかりました。これやるだけでいろんなことがわかりますね。今年やってよかったことNo.1かもしれません。いい1年の締めくくりができました。
読書家の方で年100冊読んだとか、家に1000冊本があるという方をたまに見かけますが、彼らがどれだけすごいか身に沁みてよくわかりました。400冊ですら結構部屋を圧迫するのに、彼らはいったいどうやって本を管理しているのか…
この記事で扱ってる本は、自分の読書歴のうち主に10年分。ちゃんと自分で本を買ってある程度の量を読むようになったのがそれくらい前なんですが、本当に読書が好きな人に比べたら自分は全然本読んでないな、と思ったりもしました。
でも本に対してコントロール感を持てたので、これからはもう少しハイペースで読書できるようになれる気がしています。読書に対する考え方を変えるきっかけになりました。
Notionそのものの活用法は、需要があればまた記事にするかもしれないし、しないかもしれません。平岡雄太さんという方の以下の動画はわかりやすくてとても参考になりましたので、気になる方は是非チェックしてみてください。
Notionの使い方徹底解説!Notionの魅力と基本的な使い方を解説【前編】